私は現在、国内では最大手のストックフォトサイト「PIXTA(ピクスタ)」、世界150ヶ国で展開する業界最大規模のストックフォトサイト「Shutterstock(シャッターストック)」、Adobe社が運営するストックフォトサイト「Adobe Stock(アドビストック)」、ゲッティイメージズ(Getty Images)傘下のストックフォト企業「iStockphoto(アイストックフォト)」の4つを利用しています。
驚くことに各ストックフォトサイトの審査の難易度が違います。
いや、違いすぎます。
これは、ストックフォトを始めて実感しました。
あくまでも、私個人の感想になりますが、実際利用している4社について、お話ししたいと思います。
ちなみに、私が利用している4社以外については、審査の実態が分かりませんので、ここでは割愛いたします。
では、審査の難易度が低い順に説明します。
PIXTA(ピクスタ)
個人的には「PIXTA(ピクスタ)」が、審査は一番甘いように感じます。
他社では受け付けない、古いデジカメで撮った、ピクセル(画素数)の少ない写真でもアップロードできます。
アップロードした写真も98%以上が合格しています。
ごくまれに不合格になるのですが、その写真をよく確認すると人物や自動車、商品などのロゴが映り込んでいたりしているものが多いです。
人物が映り込んだ場合、「モデルリリース」というものが必要になります。
「モデルリリース」とは、肖像権使用同意書の事です。
登録する素材に人物が写り込んでいる場合は、被写体であるすべての人物からモデルリリース取得が必要になっています。
「被写体であるすべての人物からモデルリリース取得」なんて、できっこないですよね。
ですから、私は基本的に人物の映り込んでいない写真をアップロードしているのですが、その中に稀に小さく人物が入り込んだりしているんです。
そんな写真は「販売NG」という結果が帰ってきます。
建物や施設、自動車、商品などのロゴが映り込んでいるものは、「プロパティリリース」が必要になります。
「プロパティリリース」とは、建物や施設など、肖像以外のものの撮影および使用許可書の事です。
建物や施設などどこまでがその範囲なのか分かりにくいものですが、私が審査で「販売NG」になるのは、自動車や商品などのロゴが映り込んでいるものがほとんどです。
言い換えれば、人物や自動車、商品などのロゴが映り込んでいる写真以外は全て合格となっています。
その点では「PIXTA(ピクスタ)」は審査が1番優しいと思います。
「iStockphoto(アイストックフォト)」
「iStockphoto(アイストックフォト)」は「PIXTA(ピクスタ)」の次に審査が易しいと思います。
私は「モデルリリース」と「プロパティリリース」が不要な写真だけをアップロードするようにしています。
人物や自動車、商品などのロゴが映り込んでいる写真が「販売NG」なのは「PIXTA(ピクスタ)」同様ですが、「iStockphoto(アイストックフォト)」は商品などのロゴなどにとても厳しいです。
「販売NG」の写真は「Rejected」(拒否されました)または「Revise」(改訂)という結果で帰ってくるのですが、商品などのロゴなどが映り込んでいると「Revise」(改訂)で「 ロゴを削除してください」というコメントが返ってきます。
どこに商品などのロゴがあるかと確認すれば、写真の片隅に移った物に小さく商品名があったりしますが、これは写真ではわからないだろうというレベルです。
また「Revise」(改訂)では写真だけではなく、写真のタイトルや説明文にも「固有の名前、説明を修正してください」とコメントが返ってきます。
「iStockphoto(アイストックフォト)」は商品名や店舗名などにはかなり厳しい印象です。
「Rejected」(拒否されました)では、構図の似た写真は不合格になることがあります。
個人的には、角度を変えて撮影しているつもりですが、重複していると判断されているようです。
しかし、以上に該当しない写真であれば、アップロードした写真はほぼ合格になりますので、「iStockphoto(アイストックフォト)」の審査はかなり甘いと思います。
Adobe Stock(アドビストック)
こちらは、「PIXTA(ピクスタ)」や「iStockphoto(アイストックフォト)」に比べると、かなり審査が厳しくなります。
「PIXTA(ピクスタ)」や「iStockphoto(アイストックフォト)」でアッププロードした写真が不合格になる理由は、人物や自動車、商品などのロゴが映り込んでいたり、構図が似ていたりといったものばかりでしたが、Adobe Stock(アドビストック)については、それに加え写真の技術的な問題で不合格になります。
Adobe Stock(アドビストック)では、写真をアップロードすると、合格した写真は、サイト内の「ダッシュボード」というところで表示されます。
不合格になった写真は、サイト内の「アップロードされたファイル」というところの「却下」で表示されます。
アップロードし、不合格になった写真1枚1枚に不合格の理由が記載されていますが、その大半が「技術的な問題」となっており、「画像をご提出いただきありがとうございます。残念ながら、審査の結果、いくつかの技術的な問題が見つかったためコレクションに追加することができませんでした。」とコメントがされています。
「いくつかの技術的な問題」ということですから、ピントが甘かったり、ノイズがあったりと言った理由なんでしょうね。
Adobe Stock(アドビストック)では、この「技術的な問題」で不合格になることがほとんどです。
ほかにも、「アーチファクトの問題」といったものがあり、「画像をご提出いただきありがとうございます。残念ながら、作品に過度な加工修正とノイズが多すぎることがレビュー時にわかったため、コレクションに追加することができませんでした。」というコメントが付いていますが、写真に加工修正などしていませんし、こちらは「ノイズ」の問題でしょうか。
「露出の問題」といったものもたまにあり、「画像を提出いただきありがとうございます。残念ながら、審査の結果、露出過多または露出不足のためにコレクションに追加することはできませんでした。」とコメントされています。
以上のように、Adobe Stock(アドビストック)では、審査のファクターとして「写真の質」が大きくかかわってきます。
ですから、結果としてアップロードした写真の合格率は約30%と言ったところでしょうか。
「PIXTA(ピクスタ)」や「iStockphoto(アイストックフォト)」と比較すると「写真の質」という点が大きく違います。
Shutterstock(シャッターストック)
「Adobe Stock(アドビストック)」の審査をさらに厳しくしたものが、Shutterstock(シャッターストック)です。
こちらの審査は、とにかく厳しく合格率は「Adobe Stock(アドビストック)」の半分以下、正確に数字ははじいていませんが、10%ちょっとだと思います。
はっきり言って、激ムズです。
写真をアップロードしたら、早ければ30分位で審査結果が来ますので、おそらくAIか何かで審査しているんだろうと勝手に思っています。
Shutterstock(シャッターストック)は写真をアップロードすると、サイト内の「承認待ち」というところに格納されます。
審査が終われば「最近の審査済み」というところに移行し、合格ならば「承認されました」、不合格ならば「却下の理由」がコメントされています。
「却下の理由」のほとんどが、「フォーカス」もしくは「ノイズ / フィルムグレイン」です。
「フォーカス」には「メインの被写体にピントが合っていないか、手ぶれ、被写体ぶれ、ノイズ除去の過剰使用、使用機器の技術的な制約(オートフォーカスサーチ、カメラのセンサー感度など)によりピントがずれています。」とコメントされています。
「ノイズ / フィルムグレイン」には「素材に、被写体を損なう色度、輝度、鮮鋭のノイズ、またはフィルムグレインがあります。」とコメントされています。
不合格の理由は、「写真の質」に関することばかりです。
個人的には結構きれいに撮れているなと思っているのですが、技術的にはアップロードした写真の90%近くに技術的な問題があるんですね。
Shutterstock(シャッターストック)に寄稿されている方のサイトを見たことがありますが、その方も合格率は10%と書いておられました。
やはり、Shutterstock(シャッターストック)の審査は激ムズなのでしょう。
まとめ
「PIXTA(ピクスタ)」、「iStockphoto(アイストックフォト)」は比較的審査が容易。
「Adobe Stock(アドビストック)」は、審査に技術的側面が加わり、「PIXTA(ピクスタ)」、「iStockphoto(アイストックフォト)」に比べると、審査の難易度がかなり上がる。
「Shutterstock(シャッターストック)」は、審査の技術的側面のハードルがさらに上がり、合格するのは激ムズレベル。